第11章 スナザメ×レトルト
スナ「……会いたかったぁ」
レト「!」
抱き締める腕に、力が入る。
この言葉を聞いて、今日までのモヤモヤがどんどん消えてく。
俺はスナさんに腕をまわして、抱き締め返す。
レト「俺も」
スナ「!」
レト「すっごい会いたかった」
なにこのサプライズ、幸せすぎるんだけど。
その後、明日も朝が早いって自分で言ってるにも関わらず、スナさんは時間が許す限り一緒にいてくれた。
スナ「行ってきます」
レト「行ってらっしゃい」
頑張って早起きして、玄関で彼を見送る。
スナ「……」
レト「どうしたの?」
だけどスナさんは、浮かない顔をしてる。
スナ「……やっぱだめだ」
ドアノブに掛けていた手を離して、スナさんは俺をまた抱き締める。
レト「……」
スナ「……」
身体を離して目が合う。そしたらもう離れ難くて、愛おしくて、スナさんも同じこと考えてるのが分かって、どちらからともなくキスしてた。
スナ「会うとまたすぐ会いたくなっちゃうから、すごい我慢してたんだよね」
レト「……」
スナ「たぶんまたすぐ来ちゃうと思う」
そんなの、願ったり叶ったりに決まってんじゃんって思った。
そして彼は、今日も仕事へと向かうのだった。