第11章 スナザメ×レトルト
レト「……!」
家の鍵が開く音で目が覚めた。時間はまだ真夜中、寝付いてから2時間くらいしか経ってない。
レト「…?」
足音が、徐々に俺のいる寝室に近づいて来る。
俺は身体を起こしてドアの方に目をやった、そしたら音を立てないように気遣いながら開いてく。
レト「…スナさん?」
家の合鍵を持ってるのはこの人だけだから、もちろん予想はついてた。けどまさか会えないって言ってた人が今すぐ近くにいるなんて、ちょっと驚いたよね。
スナ「あれ、起こしちゃった?」
俺が見たかった姿で、俺の聞きたかった声で、彼はそこにいる。
レト「…なんで」
でも寝起きで、頭の整理が追い付かない。
スナ「無理だった」
レト「…えっ」
スナ「もう限界」
そう言いながらスナさんは俺の方に来て、すんごい優しく俺を抱き締めた。