第2章 夏祭り
今日は海軍本部のふもとの町で海軍主催の納涼祭りがあるーーーーーーー。
ってこいつに伝えたの誰よ!!!!
おれへの嫌がらせか!?アァ!?
おかげで任務後だっていうのにライに手を引かれ人でごった返す町を歩くはめになった。
「あ、クザン!!あそこに海獣の串焼きある〜」
で、ガープさんやボルサリーノ、ましてやセンゴクさんがこいつに振り回されるわけもなく。
お世話がかり兼財布はおれの役目ですか。
「はいはい、串焼きは逃げないから待ちなさいって」
海獣肉の串焼き(300ベリー)を買ってやると美味しそうに頬張るライ。口に詰め込み過ぎてハムスターみたいになってる。
こうしてれば海軍本部中将だなんて誰もわかんねえな。
「おいひいはらふはんもはべへ(美味しいからクザンも食べて)」
…ま、たまにはこういうのも悪かねえ。
「おい、危ねえぞ」
あまりの人の多さに背が低く小柄なライは人の波に呑まれてしまい、ところどころ姿が見えなくなる。
ヒョイとライを抱え上げ自分の肩に乗せてやるとまるで小さな子供のようにキャッキャッとはしゃぐ。
「嬢ちゃんいくつよ」
「17」
「肩車できるもんだな」
「体格差?」
1メートル以上差があればまあ肩車くらいできるか。
「クザンって肩車とかおんぶとか好きだよね」
「好きでやってるわけじゃないっての」
こうしてやるとやっぱりライは妹のようだ。
なんだかんだ7年近く面倒を見ているが何年経っても変わらずガキな気がする。
…いや、俺が歳をとったのか。
どちらかというと兄弟、というより親子のように見られていることには気付かない。