第1章 遅刻常習犯
2時間程の定例会議が終わった後、室内には"元帥"センゴクとガープ、おつる、そして三大将が残っていた。
「ライはどうした」
「あー…もう一眠りするって言うんで部屋に帰しました」
センゴクの問いかけにボリボリと頭を掻きながら少しバツが悪そうに答えるクザン。
「ぶわっはっはっは!!!クザン、お前もライに甘いのう!!!!!」
ガープがせんべいの袋を開けおつるに差し出すが、華麗に無視される。
「誰のせいだと思ってんだい、全く」
「まあ実力はあるんですし、そう問題じゃあないでしょお」
「……あいつは好いちょらん」
「あれでもやる時はちゃんとやるんすよ」
「ぶわっはっはっは、若いのはいいな!!!!!」
「そのおかげで何処かの海賊みたいに自由奔放、破天荒極まりないがな」
「そんなもの昔のあんたらとそう変わりゃしないよ。近頃の若い者が大人しすぎるだけじゃないかい」
おつるさんはライがここに来てすぐの頃に身の回りの世話を、ガープさんはあいつが海兵になるって言い出してから訓練をしてもらってる。
センゴクさんには(主に始末書で)世話になってるし、ボルサリーノもかなりデレデレだ。
サカズキはまあ……押しに弱い。
なんだかんだライはここにいる全員の妹だったり子供だったり孫みたいなもんだ。
「あ、オレライに始末書書かせなきゃいけないんで行きますわ」
実力もあるが何より人を惹きつける力があるような気がする。
(やっぱりあいつには敵わねえな)