第1章 遅刻常習犯
朝。
海軍の朝は早い。
特に今日は月に一度、少将以上の将校が集まって会議が行われる日のため、食堂はマントを羽織った厳つい軍人たちで溢れていた。
大将青キジことクザンもその一人で、普段ならまだ寝ている時間にモサモサとパンを頬張っていた。
(ああ〜眠い…何でこんな朝早くから会議なんてあんだよ)
ベッドに戻りたいのは山々だが、会議に欠席すると後からおつるさんにこってり絞られるのは目に見えている。
40を超えたおっさんが正座で説教を受けるのはキツイものがある。
いくら大将でも3回り以上年を重ねている彼女には逆らえない。
仕方ねえ、と眠そうな目を擦りスープを飲むとあることに気がついた。
(…いねえなあ、あいつは。)
「ちょっとそこのあんちゃん、ライ知らねえか」
隣に座った海兵に声をかけると驚いた顔をして
「…!く、クザン大将!!おはようございます!」
「ああ、おはよう。んで、ライ見なかったか?」
「ライ少将ならお見かけしておりません!まだお部屋ではないでしょうか」
その場に立ってビシッと敬礼をする海兵にありがとな、と残しクザンはパンを一つ貰ってある場所を目指した。