第3章 第一次14日戦争
「ガープさーん!!」
そしてちょうど昼食を摂ろうとしてた午後12時30分。
任務を終え、おそらくセンゴクさんに報告書を書くまで行かせないとつい今しがたまで睨まれていただろうライの、嬉しさと怒りと焦りとがごっちゃになったような声が食堂に響いた。
一目散におれの所に……というわけにはいかず、ーーまあ予想はしていたがーーガープさんの不在を確認し、おれに軽く舌打ちをしたかと思うとそのまま若干騒つく食堂を後にした。
おれに軽く舌打ちをした……
「いい度胸してんじゃないのライ…反抗期かあ!?」
今朝のこと根に持ってんのかあいつ!!
チョコの代わりに大層なもんよこしやがって!!
バンッと席を立ち、逃げるライを食べかけの昼食を置いたまま追いかけた。
相変わらずの足の速さで、あっという間に姿は見えなくなったがまあ十中八九ガープさんの部屋だろう。
思いっきり叫んでたしな。
「ガープさん〜〜失礼しますよっと」
返事も待たず、というかもはやドアを開けてからそれを言うと、ゲッとでも言いたげなライの顔が一番に飛び込んできた。
「おおクザン!!用事か?」
たぶんおつるさん辺りに怒られてだろうが、珍しくデスクに向かうガープさんに「いやライが…」と答えると当の本人は見せつけるように、持っている大きな袋からパウンドケーキっぽいものを取り出した。
「はいガープさんハッピーバレンタイン〜」