第5章 任務の段
4・5・6年生は野外演習で昨日から留守。
くノ一教室は山本シナ先生の夜営演習で留守。
下級生は火器でも使わないと起きないだろうと、会議で決まった。
戦闘組の配置も決まった。
私は塀近くの茂み
敵が逃げようなどとしたらの場所だ。
その前に捕まってくれれば良いのだが…
学園長先生は非戦闘担当の先生達と隠れている。
学園長先生の意向は捕獲だ。
ーなるべく相手を傷つけるな!ー
そう言われても敵の出方による。
[来ます!]
矢羽音で分かり身を潜めると、現れたのは利吉くんが教えてくれた通りの小柄の男
音を立てず少し辺りを見渡し、庵を見ると消えた。
直ぐに音が聞こえるが私は動かない。
囮役の山田先生
障子から攻撃を仕掛けた日向先生と木下先生は足払いを受ける
厚着先生の苦無を苦無で叩き落とし
野村先生の手裏剣を避け
戸部先生の刀が男の右肩を斬ったが直ぐに距離を取った。
山田先生の声と敵である男の声がするが隠れててよく聞こえない。
何かを破く音が聞こえ、先生達の構えが見えた。
(このままでは逃げられる)
「確実に仕留めたいなら、火器を使えばどうだ?」
(そんなの使えば生徒達が起きてしまう。)
茂みから出たと同時に男に言い放った。
「その必要はない。」