第3章 第一章三部
なぜアクセス出来た?
なぜミニメを送ってこれるんだ?
次々と脳裏に浮かんで来る問題の答えが見つからず、考えれば考えるほど俺の恐怖心を煽るだけだ。
ヴヴヴ──ヴヴヴ──
設定をマナーモードに切り替えても、携帯電話の震えは止まりやしない。
何度も何度も送られてくるマミからのミニメ。始めは一分置きに。そして、送られてくる間隔はどんどん短くなっていく。
俺は異常な事態に堪えきれず、渋々携帯の電源を落とす。
『次に電源を立ち上げた時、メールの受信ボックスが悲惨な事になりそうだ』
そう思うえば思うほど、キリリと胃が痛んだ。
亡者よりも遥かに恐いのは生きた人間。直接危害を加えてくる彼らは、命さえも奪ってくる。
『かっこいいね。私好みの顔だよ』
ふと、マミから送られてきたメールの一文を思い出した。
そういえば、マミは俺の顔を知っている。太一に写してもらったただの写真だが、誰が見ても俺だとわかる綺麗な物。
“かっこいい”とか“イケメン”だとか何度も社交辞令で言われたが、よくよく考えればその時から彼女は異常だったと言える。