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第7章 決意


兵舎に戻るとハンジがいつもの様にエミに抱き着いてきた。

「エミ〜!
今日の夕食の後、少ししてから食堂に来てくれない!?」

「食堂ですか?
何でまた…」

「それは秘密!」

「もうすぐ夕食の時間だろうが」

「まぁまぁそんな事言わないで。
エミ、絶対に来てよ!」

そう言ってハンジは走ってきた方向に戻って行った。

「どうかしたんでしょうか?」

「いつもの事だ。
気にしなくていい」

リヴァイはそう答えると、エミと一緒に食堂に向かった。

いつも通り食事をしていたが、皆の様子が明らかにおかしい。

とりあえず部屋に戻りシャワーを浴びて私服に着替えた。

ハンジの言葉が気になって仕方ない。

ドアがノックされて開けるとリヴァイが「行くぞ」とだけ言って歩き出したのでエミは後ろからついて行った。

食堂に着くとドアの前で立ち止まった。

「お前が開けろ」

そう言われて恐る恐るドアを開けると、そこには兵団の皆が立っていた。

後からリヴァイが入るとハンジが大声で言った。

「エミ、誕生日おめでとう!」

それと同時にクラッカーがパーンと鳴らされた。

未だに理解出来ずにいるエミの腕を掴んでハンジは食堂の奥にあるソファーに座らせた。

夕食後の為、食べ物は無かったが、その代わりプレゼントが沢山用意されていた。

全てラッピングされていた為、何が入っているか分からないが、量からして兵団の半数以上の部下が用意してくれたらしい。

それを眺めていると、リヴァイが隣に座ってきた。

でもエミの誕生日は明後日の筈だ。

未だに状況が飲み込めていない様子を見てリヴァイは言った。

「お前は明日から憲兵だ。
異動の事は皆知っている。
さすがに事情は話していないが...
だからハンジの提案で今日誕生日を祝おうって事になった」

それを聞いて涙が溢れた。

誕生日を祝ってくれたのは父が亡くなってから初めてだった。

「エミ〜泣くのは早いよ!
まだまだ時間はあるから皆と話しておいで」

ハンジが優しく言うとエミは微笑んでお礼を言った後、兵士達がいる場所へと向かった。

嬉し涙を流しながら話している光景を見て、ハンジは小さな声で話した。

「辛い思いをするから今だけでもね」

「そうだな」
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