第7章 決意
部屋に戻ったエミはベッドに潜り込んでいた。
『普通に結婚させてくれたらいいのに...』
ハンジの言葉が頭から離れなかった。
兵士同士の結婚は珍しくなく、妊娠したら兵士を辞めて家庭に入る女兵士も多い。
だがエミの場合は特例だった。
そんな自分とリヴァイは結婚しようとする。
その為には中央に行く事が条件だとは思っていなかった。
リヴァイは自分が傷付くのが嫌だと言ったが、あれは本心だったのだろうか…?
今更になってリヴァイを疑う訳では無かったが、普通に考えたら王が監視する様な人間と結婚しようとは思わないだろう。
後、何故自分だけ他の人と違うのか...
エルヴィンはいずれ分かると言ったが...
そんな自問自答をしているとドアがノックされた。
今は誰とも会いたく無かったエミは無視をしていたが、ノックは続き、段々荒々しくなってきた。
こんなノックをするのは1人しかいない。
仕方無くドアを開けると同時にリヴァイが強引に入ってきてそのままドアを閉め鍵までされた。
そしてエミをドアに押し付ける様に肩を抑え付け、強引にキスをしてきた。
そのキスは今まで味わった事が無い荒い物で、エミは全力で押し返そうとしたが力で勝てる訳がなく、されるがままになってしまった。
暫くリヴァイの欲求のままキスをされ、ようやく唇から離れたと思うと今度は無言のままベッドに連れて行かれ、押し倒された。
いつものリヴァイとは違う...
「兵長、やめて下さい!」
辛うじて発した言葉にリヴァイが反応し、エミの服に手をかけていた手が離れた。
「...悪りぃ」
そう言ってリヴァイはエミの横に寝転んだ。
「どうかされたんですか...?」
エミは恐る恐る話しかけるとリヴァイは顔を腕で覆っていたが、隙間から涙が流れた。
それを拭うようにリヴァイの頬に触れるとポツリとリヴァイが呟いた。
「憲兵に送る事になってすまない」
明らかにいつもと様子が違う事に戸惑うと同時にエミはリヴァイの頬にキスをした。
「私は大丈夫ですよ。
会えなくなるのは悲しいですが、兵長も何か考えがあるのでしょう?」
その言葉でリヴァイは顔を覆っていた腕を顔から離しエミの頬に触れた。