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第7章 決意


「リヴァイ、いくらあんたの部下だとしてもその言い方は無いでしょ。
少しくらいエミの気持ちを...」

「お前に言われなくても分かってんだよ!」

リヴァイはハンジの言葉を遮る様に言い放ちながら立ち上がった。

そして今まで見た事が無い剣幕でハンジを睨みつける。

「俺は全て了承した上で行動した。
エミには俺の知る限りの情報を全て話した。
こいつはそれを分かって憲兵に行く事を決めている。
今更止める気は無い」

「ハンジさん、もう止めて下さい…
兵長の仰る通り、私は憲兵に行きます。
なので、これ以上は…」

そこまで言うとエミは涙を流した。

それを見てハンジは開きかけた口を閉じる。

「エミ、君はもう部屋に戻って休みなさい。
これ以上ここに居ても辛いだけだろう」

エルヴィンがそう言うと小さな声で「失礼します」と言って執務室を出て行った。

エミが居なくなった部屋で4人は黙り込んでいたが、ハンジが静かに沈黙を破る。

「何でこうなるんだろうね…」

「彼女は強いよ。
心配しなくても乗り切るだろう」

エルヴィンは俯いたまま答えた。

「リヴァイ、何か考えている事でもあるんじゃないのか?」

そう聞かれて目を細めながらリヴァイはエルヴィンを見る。

「時期を見て連れ戻す」

「時期っていつになるの」

「さぁな。
だが、俺の考えが正しければ数年以内だろ」

それを聞いたエルヴィンは眉を潜めてリヴァイを見返した。

「気付いていたのか?」

「前からな。
あいつを初めて見た時は何となくだったが、今は確信に近い」

「王絡みか...」

ミケとハンジその言葉で悟った。

「まさかエミを利用して正体を探るんじゃないよね?」

「あいつは中央に配属される。
立場を考えたら直接連絡は取れねぇだろ。
エルヴィン、ナイルとは連絡取れるんだろな?」

「師団長でも中央の動きは把握出来ん。
そう考えたら彼女の同行を知る為には彼女がナイルと接触しに行く必要があるが…
問題は、もし王の側近になればそれも難しいだろう」

リヴァイはため息をついた。

「このままだと殺されん限りは側近にされる可能性が高いな」

「一応私にも考えはあるから引き渡す時にナイルに言ってみよう」

エルヴィンもまたため息をついた。
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