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第7章 決意


「やっと揃ったから話を進めよう」

エルヴィンは穏やかに言うとリヴァイに視線を送る。

「話は決まった。
エミを憲兵に渡す」

「エミ大丈夫?」

ハンジがエミに問いかけるとエミは頷いた。

「エミが決めた事だから何も言わないけど、結構ショックだね」

そう言いながらハンジは苦笑いした。

「ハンジ、しょうがないよ。
彼女が事情を踏まえた上で出した答えだ。
それだけ本気だという事だ」

「分かってるよ...
でもエミが居ないと誰がリヴァイのご機嫌取りをするの」

リヴァイはそれを聞いてハンジを睨みつける。

その光景を見てエルヴィンは静かに聞いた。

「2人で決めた事だろ?」

「当たり前だ」

それを聞いて机の引き出しから紙を取り出した。

それは昨日リヴァイが提出した書類だった。

「エミ、サイン出来るかい?」

「...はい」

そしてエミは言われるままサインをすると、エルヴィンもサインをした。

「これを憲兵に渡す時に君を引き渡す事になっている。
その後はナイルに全て任す事になっているから、君は言われた通りにしたので構わない」

「ちょっと待って!
それじゃあまるでエミが犯罪者みたいじゃないか!」

「これは前から決まっている事だ。
1度憲兵に身を渡したら俺達は口出し出来ない」

「何だよそれ...」

そう言ってハンジはエミを後ろから抱き締めた。

「エミ...
何も出来ない私達を許して...
きっと憲兵は辛く当たると思うけどそれでも耐えられる?」

リヴァイが腕を離すとエミはハンジのほうに振り返り抱きついた。

「ハンジさん...
これが私の運命であり、私が決めた事です。
勿論こうなるなんて思って無かったけど...
でも、何か理由があって私は中央に行かなければならない筈です。
生きていれば必ずまた会えると信じてます」

「普通に結婚させてくれたらいいのに...」

頭を撫でながら言ったハンジの言葉が重い。

「引き渡しは明後日だ」

「俺は行かねぇからな」

その言葉にハンジが反応した瞬間、リヴァイは思いっきり倒れた。

ハンジがリヴァイの足を蹴っていた。

「それが今のエミに対する言葉なの?」

声色から明らかに怒っていた。
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