第21章 感情
――飛び出していった姉御は、今何をしているだろうか。
ジロジロと突き刺さるオバサン達の視線。
"学校も行かないで何してるのかしら。"
まるでそう言っているようだ。
学校に行かないと行けないことなんて言われなくても分かってる。
でも、地元の学校には行きたくない。
そうだ。
こっちの学校に転校しよう。
もう決めた。
取り合えずババア(母親)にメールでそれを伝えて手続きしてもらう事にする。
こんな単純でいいのか?
なんて言われるかも知れないけど、あいにく俺の家は普通じゃない。放任主義だ。
だから、文句言われる事はまずない。
そう思いながら携帯を取り出した清治は、
"南善田中に転校手続きよろしく"
そう母親にメールを送った。
そして、直ぐに返ってくる返事。
"分かった"
素っ気ない内容だった。