第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ
お風呂を上がって二階へ向かう。
カチャ――
「…誠也君?」
「うぉっ!?」
部屋の扉を開けると、誠也君が飛び跳ねるように驚いた。
そして、咄嗟に何かをベッドの下に隠した。
バレバレだ。
「……今の何?」
怪しく思い問いただすも、
「な…何が?」
白々しくとぼけていた。
「今ベットの下に何か隠したでしょ!?」
何だかそれがイライラした。
隠した事じゃなくて、嘘をついた事が。
隠し事なら誰にでもある。
男ならいかがわしい本とか。
別にその事に関しては嫌悪感はない。
棗も見ていたから。
それにあたしだって、以前喧嘩になったのに彼に隠れてルイを見ているし。
だから怒らないのに……なんで隠すの?
「し…知らねぇ、隠してねぇ。」
まだ、とぼけている。
「じゃあこれは……あ。」
ベッドの下からそれを荒々しく取った。
すると、あたしは驚いた。
それはルイの写真集。
あたしが隠していた物だ。
立場は逆転してしまった。