第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ
働いていない為、金が底を尽きるのは当然の事。
カツアゲもありとあらゆる犯罪行為も限度がある。
必要なのは、生きるための金じゃなく薬を買うための金。
孤独は孤独を生み、判断さえも鈍るのだ。
最終的に手を出したのはヤミ金。
担保も返す宛もない彼に貸すはずもなく、
「帰れ、お前に貸す金はない。」
追い出されるのは目に見えていた。
今の裏の業界は金銭面では非常に厳しく、バブルが弾けた頃から下降している。
何故なら、金を返せずに死んでいく者があとを立たないから。
そこへ警察が関与するのも必須。
警察が入れば回収も不可能。
ただ貸した金は諦める他ない。
だが、そんなことが続けば上の組織へのカスリ(上納金)を払えるか定かではなくなる。
ようするに貸す側も貸す相手を見極めているのだ。