第17章 逆々襲
「どうも、ハジメマシテ。」
電車を降りて聞こえて来るわざとらしい声。
並んだバイクが人を遠ざけている。
が、関わりたくないので無視を決め込む。
「俺の女気に入った…て、話聞けよ!!」
なにやら、真ん中に居た黒髪の男が叫んでいる。
彼女に全く相手にされなくなってイライラしているのに、変な奴を相手にする余裕はない。
だから、無視を決め込む。
「宮田!!テメェは気付いてんだろうがよ!!」
男は叫んでいるが、清治も無視。
も完全に無視している。
それもその筈。
馬鹿みたいに周りに女をはべらしているから、端から見たら面倒臭い男にしか見えない。
「だから、女連れて来んなって言ったんだよ。」
バイクに跨がった茶髪の男がガシガシと頭を掻いた。