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レッテル 2

第16章 外れる鎖


「あぁ…今日ほど気分が良い日はないな。」


"生活安全課"


そう標された広い部屋の中。
沢山ある机の内のひとつの椅子ににデカデかと座り、橋田は高笑いしていた。
タップリと肉の付いた弛んだ顔が、汚ならしく歪んでいる。

「橋田さん。」

一人の若い刑事が、そんな橋田に声をかけた。

「なんだ?」

にこやかに笑う橋田。
いつもなら格段に低い筈の声色は、機嫌が良い為少々高い。
若者はそれが不気味で仕方がなかった。

「岩中って人が来てますが話があると……。」

「岩中?」

聞き覚えのない名前に、首を傾げる。
そして、橋田は何となく部屋の入り口を見た。

「あいつは…――。」

すると、彼の顔が一気に歪む。
口元は力無く垂れ下がった。


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