第13章 恨みの連鎖
「あのクソガキ…今まで面倒見てやったのに恩を仇で返しやがって……。」
その頃。
隣町のとある廃墟で、唸るように進藤が呟いた。
そのまわりには男達が群がっている。
皆、私服だ。
「俺等も納得いかねぇ。なんでガキの下につかねぇといけねぇんだ。」
「しかもアイツ今、山代組に追われてんだろ?」
「隣町に逃げてるとか。」
「正直、うける。」
男達がざわつき始めた。
「つーか、あのガキを追い込んで山代に突き出すってのはどうだ?名案じゃね?」
金髪の男が言った。
「隼人(はやと)頭いい!!」
その言葉に皆が賛同する。
「ただし、8分殺しした後でだ。」
誰かが呟いた。
進藤だ。
その場の視線が一気に進藤に集中する。
「いいか、見つけたら無傷で俺の所に連れてこい。わかったか?」
「はい。」
皆が頷いた。
「分かったらさっさと探せ。」
言葉を合図に、廃墟を出ていく男達。
残ったのは数名。
「………。」
無言で、進藤が立ち上がった。
「カズ、どこいくんだよ?」
茶髪の男が尋ねた。
「隣町の"観光"。お前等もついてこい。」
そう言った、進藤は不気味に笑っていた。