第12章 真の家族
「……秋本さん。」
部屋の扉が開くと同時に聞こえてきた声。
清治だ。
「どうした?」
緩んだ口角をキュッと引き締め、顔を向ける。
「家族って…なに?」
俺の所まで来た清治が言った。
「…正直わかんねぇんだよ。姉御に何で俺を助けたんか聞いたら"家族だから"って言われたんだよ。」
俺の隣に腰かける。
「でもさ、俺家族なんてうぜぇし、うるせぇだけの存在しか思ってねぇんだよ。…やっぱそうなんか?」
ジッと清治が俺を見ている。
答えを待っているかように。
「人それどれ感じかたが違う。本当の家族でも家族と思えない奴も世の中たくさんいる。だけどよ…――」
そう言って、真っ暗な天井を見上げる俺を。
「こいつ等を守りてぇ、一緒にいてぇ…"大切"そう思った瞬間から家族なんじゃねぇか?例え血の繋がりが無くても家族になれる、俺はそう思っている。」
真の家族に。
「そっか。……でも、やっぱり俺にはわかんねぇよ。」
うつむきながら呟く清治。
「焦んな、その内きっとわかる日が来るはずだ。」
クシャリと清治の頭を撫でた。