第12章 真の家族
暮れていく夕陽。
ちらつく外灯。
星達がちらほらと顔を見せ始めた。
んなこたぁ、どうでもいい。
――こいつはいつになったら帰るんだよ。
目の前の鼻傷ヒゲオヤジをジッと見ながら俺は考えていた。
「おい、あいつ等ガキ1人探すのに何時間かかっとんジャ!!ワシャあ、はよ帰えりたいわ!!なめとんのか!!」
なら早く帰れよ。
叫ぶオッサンに俺は心の中で毒気づく。
「いや、さっきから携帯に電話入れてるんスけど…出なくて――。」
携帯を持った男が恐る恐る言った。
「なんやと?なら、おどれ等が探しいかんかい!!」
ドガッ―――
蹴飛ばすオッサン。
「は…はい!!」
よろけながら走っていく男。
その後ろを他の連中が追いかける。
「…たく、働き通しで疲れるんジャ。」
「いや、煙草パカパカ吸ってなんもしてねーだろ。」
首をゴキゴキ鳴らすオッサンに思わずつっこんだ。
「なんやと?」
オッサンの目がギラリと光った
ズンズンこちらへ進んでくる。
――あー…めんどくせぇ。
目の前のオッサンに思わず溜め息を吐く。