第11章 漆黒の棺桶
「なにしてんの?」
再び声が聞こえてきた。
振り向けば、ランドセルをかるった勇人君がいた。
「ちょっと訳があって……というか、なんでここにいるの?」
学校の帰り道じゃないよね?
あたしは首を傾げた。
「車がいっぱいあって邪魔だったから、ブラブラして時間潰してた。」
近くにあった小石を蹴りながら、勇人君が言った。
「そっか。」
「ていうかさ、そこの奴等って清治君がやったの?」
倒れた男達を指差す。
「うん。」
あたしは頷いた。
「へぇ…、意外と清治君て強いんだな。」
「意外ってなんだよ。バカにしてんのか?」
ジロリと清治君の目が勇人君に向いた。
「別に。」
笑う勇人君。
「………。」
清治君は無言で煙草を吸っていた。