第11章 漆黒の棺桶
丁度降りる駅に着いた電車。
「さっさと降りろ。」
ドガッ――
痴漢の背中を蹴飛ばす誠也君。
ドサッ―――
地面に倒れる痴漢。
電車も人の群れもその横を通りすぎていく。
「殺されたいか、ぶっ殺されたいか選べ。」
ボキボキと拳を鳴らしながら見下ろす誠也君。
尋常じゃない目付き。
どっちにしても殺されるんだ…。
ジッと彼を見た。
「…こいつの骨折っていい?」
あざだらけの清治君の顔が誠也君にむく。
「砕くくらいにしとけ。」
サラリと恐いことをいう彼。
悪化してるし!!
つっこみたくなる