第7章 壮絶なる争い
「誠也君……。」
揺れる瞳に映る彼。
傷だらけだけど大好きな人。
大きなゴツゴツとした手に触れて、
「守ってくれてありがとう。」
笑顔で言った言葉。
「……おぅ。」
彼があたしから顔を反らし、熟したトマトのような真っ赤な顔をしている。
そんな彼が可愛くて、そっと身体を彼に寄せた。
「桜……。」
抱きしめられる肩。
そっと触れ合う優しく温かな唇。
彼の温もりに触れながら、ゆっくりと倒れるベッドの上。
消されるテレビと明かり。
そんな彼らを部屋に置かれた人形が恥ずかしそうに見ている。
ここから先は彼とあたしのヒミツの話。