第6章 挨拶参り
「なんだ、今の?」
少年の目に映った顔は、ヘラヘラと笑っていた。
まるで何もなかったかのように。
「マジかよ……カズさんのパンチが効いてねぇ……。」
驚く少年の仲間。
ゴシャアッ―――
そして、カズと呼ばれた少年の顔にめり込む拳。
一気に地面に叩きつけられる。
「クカカ……。」
また、高嶋が笑った。
顔にめり込んだ拳がどんどん食い込んでいく。
その圧力で、血がジワジワと地面に染み出ている。
「あ……が……。」
少年が小さく鳴いた。
まるで虫の息。
たった一発で潰された事に、少年も、その仲間も恐怖を抱いた。
バコッ―――
グシャッ――
ベキィ―――
どんどん入り込む拳。
腫れていく顔。
もう原形をとどめていない。
「う…うわぁぁああ!!」
少年の仲間が転がるように逃げ出す。