第1章 幼馴染み。
「はい、ありがとう、ございます。」
「よし、じゃあ、お母さんたちは
はやく家に帰ってください。
きっとヒューマンショップに向かってるんだと思います。」
「お姉ちゃん、もういっちゃうの?」
男の子は私の腕をつかみ、
寂しそうな顔で私を見上げた。
「うん。でも大丈夫!
安全が確認されたらお姉ちゃん、また会いに来るから!」
「ほんと?やった!約束だよ!」
やっぱり、子供は笑ってなきゃ。
今はまだ、無垢なままでいいんだよ。
「じゃあ、お姉ちゃんの約束もきいてくれる?」
「うん!」
「お母さんを、守るんだよ?」
優しく抱きしめ、つぶやいた。
「…うん。わかった!僕、ママを守る!」
胸を張る男の子の頭を撫で、
私はお母さんと笑った。
「それじゃ、ね。」