第2章 肉食系男子
「あっ!!千尋みっけた。」
なんだろう、いきなり。
友人の伊野マコトは私を見るなりそう言って、強引に私の腕を掴んだ。
「ちょ、なに......」
連れて行かれたのは近くの公園。
「あのさ、俺、仕事成功したんだよね」
「う、うん。」
ここまで連れてきて突拍子もなくそんなことを言ったので驚く私。
そんなことを言うためにここまで連れてきたのだろうか。
それなら見つけた、といった時に言えばよかったのに。
「それでさ、成功したら言おうって思ってたんだけど」
暑さからか、ネクタイをグイっと引っ張ってシャツをパタパタさせている彼。
「好きなんだ。千尋のこと」
暫く沈黙になり、微妙な空気が流れた。
「う、うん」
「それで、俺と付き合って欲しい。」