第3章 ハイエナ系男子
あの日を境に彼女は泣いていた。
涙を流さない時があっても彼女の心は泣いていた。
いつも眩しいような、とっても可愛い顔で笑っていた彼女はいつの日か一度も笑わなくなった。
いつの日、なんて表現おかしいかも知れない。
だって数週間前の話だから。
僕は彼女を知ったとき、つまり学生時代から彼女を好きだった。
純粋で可愛い子。
僕は気持ちを伝えようとしたけど、自信なくなって言わなかったらいつの間にか彼女の横には知らない男がいた。
後悔したってもう遅いのに。
でも彼女は彼に振られてしまったんだ。
可哀想に。よしよし。
そんな言葉を彼女に投げかけている僕の心の中はどす黒い。
嬉しいなんて想っている自分がいるのだ。
だから今日も僕は彼女を慰めるんだ。