第5章 変貌 [劉]
『……劉くん…なの…?』
と、問いかける。
婚約者だった男にも
同じことを聞いた。
名前まで同じだったから
信じてしまったけど、
今考えたら、
必要な情報は全て
自分から言っていた気がする。
彼は男達を
全員倒したあと
「やっと、思い出した?♪」
と笑顔で
こちらを振り返った。
私はコクコクと
頷く。
「まったく、酷いよねぇ、
婚約者間違えるなんて♪
ま、そういう
ドジなところも可愛くて
好きだけどね?」
恥ずかしげもなく
そんなことを言う彼に
驚きを隠せないけど、
彼の優しくて守ってくれるところは
昔と全然変わってなかった。
「はぁー、
それにしても、焦ったよ~
花束渡したときに
気づいてもらえると
思ってたんだけどなぁ…」
困ったような顔をする劉くん。
『あ、ご、ごめんなさい…//
でも、劉くんも変わりすぎだよ。』
手を差しのべてくれる劉くんの
手を握って立ち上がる。
どこかの
路地裏のようだった。
私たちは
今まで知らなかった
お互いのことを沢山話ながら
家へ帰った。
**
「あの男と、
どこまでヤったの…??」
帰ったとたん
ベッドに押し倒されて
ガラリと雰囲気を
変える劉くん。
『へっ!?!?///
えっ…と、何も…シてな…ぃ…/////』
嘘をつくのが苦手な私は
すぐに嘘だとバレてしまう。
「へぇ~、
僕に嘘…ついちゃうんだ?」
ガシッと腕を一つに
束ねられ
頭の上に固定される。
『っ!!!!/////』