第11章 戦場 [バルド]
毎日のように俺のことを
待っててくれる女がいる。
俺はそいつのことを愛していて
そいつも俺のことを愛している。
たまに
戦場からボロボロになって
帰ってくる俺を
何も言わずに待っていてくれる。
美味しいご飯と
あったけぇ風呂
太陽の匂いのするベッド
どれも俺の大好きなものだ。
**
キィ……
1週間ぶりの我が家。
いつもは玄関にひょっこり
顔を出して
笑顔で迎えてくれるだったが、
今は深夜、
さすがに、寝てるんだろう…
そっと
寝床の方へいくと
『んぅ?
バルド…?』
目を擦りながら起き上がる。
「ただいま。」
『あ、お腹すいてるでしょ?
ご飯…』
「いいって、
風呂入ったら寝るし。」
彼女を再びベッドに
押し倒すように寝かせ、
服を脱いでフックにかける
『そう?
じゃあ、お風呂あがるまで、
待ってる。』
可愛いことを言って、
にっこり笑う妻に
心底惚れてる。
**
シャンプーをしながら
色々考える。
あいつ、体大丈夫かな、
明日は一日休みだし、
病院でも行くか…
いや、でも
俺と一緒で危なくねーか?
そんなことで頭がいっぱいになる。
俺のせいで
村の外れに住まなきゃいけねぇし、
本当は他の男んとこにいった方が…
いや、俺が幸せにするって
決めたんじゃねぇか、
うだうだ、考えんな
いざとなりゃあ
俺が守ればいいんだ。
そういえば、
今日、一人逃がしたな、
あいつを片付けなきゃなんねぇな…
あさってには
殺る。