【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第3章 In Summer
トントトトントン
翌晩、いつものようにドアをノックする音が響く。
窓際に座り、夜風にあたっていたリヴァイは、ふと優しい眼差しをそちらへ向けた。
「リヴァイ、聞いて」
とてもとても嬉しそうなレオノアの声。
「今日、初めてお友達ができたよ!」
キルシュタイン夫人は願いをすぐに叶えてくれた。
きっとドアの向こうでは満面の笑みでいるんだろう。
可愛らしい頬を真っ赤にしながら。
「誕生日おめでとう、レオノア」
それはとても小さな声で、ドアの向こうには届かない。
しかし、夏の夜空に浮かぶ月だけは、しっかりとリヴァイの想いを見届けていた。
第3章 『In Summer』 Fin.