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【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜

第1章 Vuelie 〜語り継がれる愛〜




「もう大丈夫。王女から魔法に関する記憶を全て消しました。これで恐怖に命を奪われることはないでしょう」


「俺の魔法も忘れてしまったのか・・・?」


レオノアの楽しそうな顔は、もう見られないのか。
リヴァイが悲しそうに呟くと、父は「その方が良い」と小さな背中をさする。

フリーダは複雑な顔でリヴァイを振り返った。


「リヴァイ・・・よく聞いて。貴方の力はこれからどんどん強くなっていく」


全てを凍らせる、氷の魔法。


「とても美しい力よ。でも・・・」


使い方を誤れば、人を死に至らしめる。


「大きな危険を秘めている」


フリーダはちらりと窓の向こうに潜んでいるエレンとミカサに視線を送った。
しかし、そのことに気づいた者はいない。


この王子の力を最も怖れるべき者。
それは・・・


エレン、貴方よ。

貴方とリヴァイは、必ず出会う運命にある。
その出会い方によっては、この力が貴方を殺すだろう。

本来、この力はそのためにあるのだから。

だから私に出来ることは、“レイス家の人間として”この王子の力が暴走しないようにすること。


「力を抑えるのよ・・・“恐れ”が大きな敵となる」


精神状態に深く左右される、この魔法。
封じ込める手立てがあるとすれば・・・


「分かった、リヴァイを守ろう」

それまで苦悩の表情を見せていた王が、意を決したように口を開いた。


そう・・・
封じ込める手立てとは、リヴァイを世界から隔離すること。


「城の門を全て閉ざし、召使も減らし、できるだけ外に出さず、周りの目から隠すんだ・・・」


力をコントロールできるようになるまで、リヴァイを刺激するものを一切排除する。
それはたとえ・・・


「レオノアからも・・・」


最愛の妹であっても。


「これ以上誰かを、なによりお前自身を傷つけないためだよ、リヴァイ」


父は息子を強く抱きしめた。
その身体はまるで氷のように冷たい。

いつか必ずこの魔法を消す方法が見つかる。
それまでは・・・


命よりも大事な息子を、城に幽閉する。



それが、アレンデール王の決断だった。




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