• テキストサイズ

嵐さんの告白

第5章 松本潤の場合。







 家の前につき、タクシーから降りると、なぜか1度松本くんも降りた。


「…あ、今日はご馳走になりました。」


 食事代も、タクシー代も「女性からお金は受け取れない」と断られた。なんともまあ、松本くんらしいというか、久しぶりに女性扱いしてくれて浮かれている自分がいた。

 しかし歳上女の扱いに慣れていると思うと、この扱いが自分だけじゃないこともわかる。松本くんの優しさも素直に受け取れない、可愛くない年齢になってしまった。女ってやっぱり若い方が可愛いな。



 松本くんがさっきとは違う、スッキリした顔で


「ん、こっちこそ付き合ってくれてありがとう。さんとプライベートで飯は初めてじゃない?」

「そうだね、違う一面も見れた。」

「え?俺なんか違った?」

「うん、なんか違った。やっぱり年下なんだなあ、って。」


 松本くんの可愛い姿を思い出して、つい笑ってしまった。現場じゃあんな姿見れない。



「それ、やだ。」


 松本くんが拗ねたように口を尖らせる。その姿にまた笑いがでる、というよりも、微笑んでしまう。



「ふふ、そういうのだよ。可愛い。」

「やっぱり男はかっこよくて頼れるのがいい?」

「…え!?いやあ、どうかな、そんなの久しく考えてないからわかんないや。」


 そう言うと、松本くんは声を出して笑った。



「なんだろうねさんって。恋愛話とか似合わない。」

「ちょっと、どういう意味よ。」

「素敵だって言ってんだよ。」




 松本くんが優しい、大人の視線を私に向ける。その顔は暗闇に溶け込んで少しボヤけているけど、それでも破壊力は抜群で。不覚にも年下男子にドギマギしてしまう。




「へ、…へ?」












「俺はさんみたいな人、好きだよ。」



/ 103ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp