第5章 松本潤の場合。
カウンターに座るはずだったのに、私は松本くんのグループにお邪魔してしまった。お友だち2人が明日も仕事だということで、1時間後、解散することになった。
「あ、潤はどうする?」
松本くんのお友だちがタクシーを呼び止めて、聞いた。
「ん、俺はさん送って帰るわ。」
「あ、松本くん、だいじょ」
断ろうとした時、松本くんが左手で私の口を軽く押さえた。
「今くらい黙って言うこと聞いてよ。」
暗闇で薄暗い雰囲気の中、松本くんの男性らしい低い声に酔ってしまったのか、何も言えない私は心の中で「は、はい…」と返事をした。