• テキストサイズ

嵐さんの告白

第5章 松本潤の場合。







 赤いのれんを潜ると、「っしゃいませ!」と元気なオヤジさんの声が響く。



「こんばんはー。」

「お、ちゃん!今日は…今日も1人かい!」

「…帰るよ。」

「あー!うそうそうそ!ほら、こっち!」



 とカウンター席に案内される。元々路地裏のあまり知られていないような小さな店。 23時過ぎの平日ともなると、人もちらほらしかいない。 カウンターの一番端で寝ているサラリーマン、テーブル席でベロっベロに酔っぱらっている60代のおじ様達、奥の座席で盛り上がるメンズ3人組。
…………





 見覚えのある顔立ちに思わず顔を背けた。敵はまだ気付いていないようだ!よっしゃ、セーフ!



「なに、ちゃん、どうしたの。」


 中腰になり、鞄で顔を隠す私にオヤジさんが目を見開いた。


「や、あ、の…しー!」


 人差し指を立てて、口の前に出す。


「え!?なに!?ちゃん、なに言ってるの!?」

「だからっ、しーってばっ!名前は呼ばないで!」




 小声でそう言ったのに、何度も私の名前を呼ぶオヤジさん。空気をよめ、空気を!!私の苦労も甲斐なく、警戒する方から呼び掛けられる。



「…あれ、さん?」




/ 103ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp