第4章 二宮和也の場合。
「ちゃん、後悔はしないんだな。」
「・・・え」
「まだ27だ、これから先、いろんな人との出会いも多い時期だ。それでも、和也との辛い人生に、後悔はないんだな。」
そうかもしれない。27歳なんて、人生に置き換えてみればまだまだ半分もいってないわけで、こんな苦しい思いなんてない、そんな人が現れるかもしれない。
でも、それでも、私の中からカズを想う気持ちが消えてくれないなら、どこにいても、誰といても辛いだけだ。
それなら
「後悔なんて、しません。私の傍にカズがいない事の方が、・・・辛かった。」
「・・・・・・、」
お母さん、ごめんね。私の選んだ人はこの人です。