第4章 二宮和也の場合。
「…それ、意味わかって言ってんの?」
わかってる。わかってるから怖いよ。
カズの質問にうん、と頭だけ動かした。
「…カズが好き。ずっと、あの時から、カズのこと弟としてじゃなく…」
なにも言わなくても、見つめあうだけで、お互いの気持ちがわかった。これは姉弟だから?
「俺はのこと、一度もねーちゃんとして見たことなんて、なかった。」
そう言って私の左頬を触った。
久しぶりに触れられるカズの体温に早くなる胸の鼓動と、安心感と変な思いで訳がわからなくなる。
ただこの状況に幸せだ、離したくないと思う私はやっぱり姉失格だ。…なんて、凄く今更な綺麗事。
カズがゆっくり顔を近づける。私には拒む理由がなかった。今は。今だけは。
久しぶりのソレは、あの時とは違う、優しくて甘い男の人のキス。