第4章 二宮和也の場合。
夕飯を終えて、なんだか家にいるのが堪えきれなくなって、「コンビニに行ってくる」と家を出た。
やっと肌寒くなってきた10月中旬のこの夜に、パーカー持ってくるんだったと後悔した。どうせすぐに戻る気にはなれないから。
出来るだけ寒くないように、腕組をして背中を丸めて歩いていると、後ろから「、」と呼ぶ声がした。
振り替えると、「はい。」とグレーの上着を差し出す弟の姿。
「……」
「ほら、早く受け取んなさいよ。寒そう!」
「うん、ありがと。」
何のために家を出たと思ってるの。カズが来ちゃ、意味ないじゃない。なんて思ったけど、ホントは少し嬉しかった。
私はもう自分のイケない気持ちに気づいてる。