第1章 大野智の場合。
「………、」
「聞いてる?」
「…あ、え、はい!」
「好きだから明日はオイラと一緒に絵描こ
好きだから明後日はオイラと一緒に飯食おう。
その次の日は…好きだから一緒に釣り!
そうだった、釣り忘れてた」
真剣な告白だったはずなのに、いつの間にかいつもの彼に戻っていて。緊張した肩の力が抜けてしまった。
「…ふっ、ふふふ」
私が笑うと、彼もふふっと声を漏らした。
「なぁに、オイラ真剣なんだけど」
「…うん、嬉しい」
「じゃなくて、もっかい言って」
「…大野くんが好き、です」
近くでそう呟くと
「ふふふ…やべぇな。恥ずかしい」
と照れたように笑った。
『 タイミングは計れない 』END