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嵐さんの告白

第1章 大野智の場合。












「え、昔オイラのこと好きだったの?」

「…え?」

「知らなかったぁ」

「うそ、私大野くんに言ったもん!
 好きだって!」

「ええ!?言ってないよ、」

「言ったよ!放課後、黒板消し手伝ってくれた時、
 好きって言ったもん!」

「え?オイラなんて言ったの?」

「それが―・・・」












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―――――――














「好き、です…」

「……」

「……」

「…変わってるねえ、さん」

「…え」

「オイラ、めんどくさいのは嫌い」

「…え」

「ほら、帰ろ?暗くなっちゃうよ」

「…は、い」

「明日1限美術だって。楽しみだね」

「…はい」

「どうしたの?嫌い?美術」

「…好きです」

「ん、オイラも!」






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「え?」

「え?」

「ごめん、間違えた」

「へ?」

「黒板消しが好きなのかと思って」

「へ?」

「だってオイラ、モテなかったし。
 そんなこと思ってもみなかったし」

「…嘘でしょ」

「へえ、オイラのこと、好きだったんだぁ」

「…もう、言わないで。恥ずかしいから」

「ふふ、うっれしいなあ、
 でももっと好きにさせる」

「え、」

「楽しみだ」



私のことを考えて「ふふふ」と悪戯っぽく笑う彼をすぐ傍で愛おしく感じる。



こんな幸せな日がくるなんて。


あの日私がフラれたと思っていた出来事も、この日のためのタイミングだったのかもしれない。





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