第1章 大野智の場合。
「その顔、そのが
いっつも赤くなるのって嬉しいってこと?」
彼がいつもの様に首を傾げて私の顔を覗き込む。
「え!?」
「オイラ、期待してるよ?
いつも、その反応されて」
「え!?」
「そうやって赤くするたびに
またオイラを意識してくれたって、
喜んでる」
「お、大野くん…?」
「あー、だめだ。なんか違うな、あーもう」
彼が座り込み頭をガシガシかく。
私がポカンと佇んでいると、座ったまま見上げられた目と視線がぶつかる。
そのまま、見つめあったままの時間を長く感じていると、彼が眉を下げて切なそうに口を開いた。
「好きなの、のことが」