第9章 猫かぶり時々ツンデレ 《イナGO 狩屋》
皆が帰った教室の中で、一人、ぼーっとしてみる。
サッカー部の声とか、吹奏楽の音が聞こえて来る。
みんな部活してんだなぁ…
ふと、隣の席を見てみる。狩屋くんの席だ。
彼も私を変わり者だと思っているんだろうか?
私は、自分で言うとなんだが美形だ。
この整った顔と、変わった正確で、昔から誰も近づいて来なかった。
けど…中学に入ってから、サッカー部の松風くんとか、空野さんは
私に話しかけてくれた。
そして、狩屋くんも____
猫かぶりだとは気づいてた。だけど単純に嬉しかった。
私にこんなにも笑顔を向けてくれた事が…
松風くん達は、確かに明るくていい人だけど正直だから
まだクラスに馴染んでない、という同情から話しかけてくれてる感じがする
けど狩屋くんは、ちゃんと私と話してくれた。
同情とか、そう言うのじゃない____
確かに、変な奴だとは思われてると思うけど…
真っ正面から向き合ってくれてる。
だから単純だって言われるかもしれないけど、
私は狩屋くんが好きだ。
____早く、私に本性を見せてくれないかな?
まあ、狩屋くんをイジると本当に面白いんだけどね。