第4章 前の席 《イナGO 霧野》
それからというもの、霧野君から話しかけられる事が多くなった。
私は得に避けようとも思わなかったので、普通に話していた。
霧野君と話すと、なんというか心があったかくなる。
この感情が何なのかわからないが、
とにかく霧野君と話す事が楽しみだった。
霧野君がいつも嬉しそうだから、こっちまで嬉しくなるんだ。
けれど、私は忘れていたんだ。
霧野君ファンの女子の存在を____……
放課後、私は複数の女子に話し掛けられた。
女子「ねぇ、ちょっとお話しようよ。」
星楽「え?う、うん。」
そのまま私は複数の女子について行くと、体育館裏に着いた。
あ、これは多分やばい奴だ。
そう思ったが遅かった。
女子1「アンタ、霧野君の何なわけ?」
女子2「最近、凄く話してるじゃん?本当図々しいんだけど。」
女子3「自分の立場、わきまえてよね。」
き、霧野君ファンの方々だよね?
すっごい怖いんですけど!!
女子1「つーかさ、もう一切霧野君に関わらないでくんない?目障り。」
……確かに、前の私なら素直に頷くと思う。
だけど、今は霧野君ともう話せないと思うと、胸が苦しくなる。
……あ、そうか。
私って霧野君の事好きだったのか………。
だから、霧野君と話すと嬉しくて、関わらないと思うと苦しいんだ。
女子の人達は怖い。
だけどそれ以上に霧野君と話せなくなる方が嫌だ。
星楽「私はッあなた方になんと言われても、関わらないなんて嫌です。
だって、霧野君が好きだからッ!」
女子1「~ッ!生意気なんだけど!」
星楽「あなた方だって霧野君が好きなんですよね?だったら、こんな事
するよりも、霧野君と話せばいいじゃないですか!」
女子2「さっきからうるさいーー!!」
そう言ってその人は手を振り上げていた。
やばい、叩かれる!
そう思い、目をつぶった。しかし痛みはなかった。
そっと目を開けると…なんとそこには霧野君がいた。