第2章 真田とおもちゃと私/真田 幸村 3/16更新
「。何をしているのだ?」
「見て分かんない?ロッカーを戻そうとしてるんですけど?」
これが、遊んでいるように見えるんなら、眼科に行くことをお勧めしますよ?
「ちょっと、手伝ってよ。真田」
「では、どいていろ」
言われたまま、ロッカーから離れると
「ふんっ」
軽々とロッカーを戻す真田。
「さっすがぁ!男だねっ。立派だよっ」
拍手をしながら、誉めちぎってみる
「たわけ!これきしの事、朝飯前だ」
そう言いながらも、私に背中を向けているので、表情は分からないんだけど……
くすっ
真田の耳、真っ赤だよ
女の子に免疫のない真田
なんか、そんな風に反応されると、もっとイジりたくなっちゃうよ
ロッカーを3つ、元に戻した真田は、帽子を目深く被り直して、咳払い
「後は、頼んだぞ」
部室を出て行こうとする真田の腕を掴み、ワザと上目遣いで
「手伝って……」
囁くように、お願いしてみると
「んなっ……!」
声にならない声をだす
帽子を目深く被っているので、表情がわかりづらい。自然と顔を近づける事になる。
やっぱり、顔があかい
「くすっ。真田って……」
「うん?」
「可愛い……ねっ」
「なっ、何をっ……!!」
更に頬を染め、視線を私から、外す
それが、また面白くて笑ってしまう
低い声を更に低くし
「さっさと片付けるぞ!」
絶対に、照れ隠しのつもりだよね。