第4章 戦国絵巻/跡部景吾 3/18更新
「心配しているのか?」
「くすっ。いいえ……心配は、していません。景吾様は、ご無事で戻られますもの。ただ……」
「ただ……?」
「離れるのが、寂しいだけです」
これもまた、本音である
結婚して、5年になるが2人の間にはまだ
子がいない
この時代、政略結婚は当たり前であるが
この2人は、恋愛結婚なのである
「ふっ。可愛いコトを言うな」
目を細めて笑う景吾の顔を下から、覗き込んでいると
「呑むか?」
杯を渡されるが
「私は、得意じゃないので……」
指を添え、断る
お酒に弱いは、一口呑んだだけでも、酔ってしまうのだ
今夜は、酔いたくない。景吾様としばしの別れになってしまうのだから
正気のまま、側にいたいの
そんなの気持ちを知っているのか、知らないのか
景吾は、酒を口に含みの口の中に
酒を流し込む