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テニプリ【誘惑されて……】 R18禁

第36章 男は優しさ/樺地祟弘


「むーねちゃん」

テニス部の部室のドアを開けてすぐに
大きくて広い背中に抱きつく


「はあ~。癒やされる……」

「?」

祟ちゃんの良さを分かっているのは
私ひとりだけでいい

口下手だから自分の想いは口にしないけど
その分、態度で示してくれるもん

彼は嘘をつかない

まっすぐに私だけを見つめてくれる
(まあ、景吾に従順すぎるけどさ)


「……さん?」

「今日はお邪魔虫がいないから……甘えたいの」

祟ちゃんの背中に顔をうずめているだけで
満足な筈なのに


それ以上を求めたくなってしまうなんて……



そんな私の気持ちが伝わったのかな?

祟ちゃんったら体制をかえて、私を抱き上げてくれた


曇りのない純粋無垢な瞳が、私を捉えて離さない




「んー……」

目を瞑ってキスの催促

ふれるだけの優しいキス



でも、今日は物足りないよ


「んー……もっと……」

唇を突き出して、ちゅっちゅっとリップ音をたてると

唇を包みこむように重ねてくれる。



祟ちゃんのキスはいつでも優しい
私を大事に大切にしてくれているのが
わかるから


私は、いつでも幸せな気持ちになれる
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