第27章 成仏しようか/幸村精市 4/16更新
「れいちゃんって……」
「とりあえず、ね。自分の名前、忘れちゃってるしね」
”そうなの。可哀想でしょ?”
……自分で、言うな。
「で、成仏できん理由は?」
“それがねぇ~”
ドンドン!
「ちょっとぉ~!! 開けて下さいよぉ~!!」
五月蝿いのが、来たか。
俺がいるせいで、ドアが開かなかったか。
バンっ!!
勢いよく、ドアを開けて赤也、ブンちゃん、ジャッカル、柳生が入ってきた。
「っざぁ~ス!……?」
幸村を見て(まっ、正確には、れいちゃんか。)
固まる赤也。
「何? 赤也、邪魔だろぃ?」
固まった赤也の後ろから、ブンちゃん登場。
いつものように、ガムを膨らませながら、
パチン!
弾けたガムが鼻と口を塞いじょる。
「一体、何ですか? ドアの前で、邪魔ですよ」
固まってる2人をかき分けながら、柳生。
“れいちゃんで~す”
「あっ、初めまして。私は、柳生と申します。」
れいちゃんに、挨拶しちょるが……柳生。メガネ、ズレとるよ。
ジャッカルは……逃げたか。
「あれ? みんな、どうしたんだい?」
幸村……
少しは、みんなの気持ち 分かってやってもよかろう。
“何で、固まってるの?”
ふわふわと赤也とブンちゃんの間を行ったり、来たりするれいちゃん。