第27章 成仏しようか/幸村精市 4/16更新
「うん。そうみたいだね。俺、気にいられちゃってさ」
これまた、あっさり。
流石、神の子じゃ。
「しかし、何でソイツがいるんじゃ?」
「部室に入ったら、彼女が泣いててさ。声をかけたら、俺から離れなくなったんだよね」
ねーと幽霊に同意を求める幸村。
すまんが、俺は付いていけないぞ。
「どうやら、彼女。心残りがあって、成仏出来ないらしいんだよね。」
”ピンポーン。正解ですよ!”
ずいぶんと明るいのぅ。
ふわふわと浮きながら、俺の目の前に。
”あらっ。こっちもイケメンさん”
きゃい きゃい 騒ぎながら、俺の周りをぐるぐる。
「幸村の知り合いか?」
「俺の知り合いじゃないよ。さすがに、幽霊に知り合いは……いないかな」
幸村なら、幽霊が友達でも違和感なさそうじゃが。
「蓮二に、聞いてもデータ無いって言うしさ」
「そういえば、見かけんが?」
「弦一郎と一緒に塩を買いにいったよ」
塩?
「清めの塩か?」
「うん。そうだよ」
しかし、なんとも。
さっきから、やけに肩が重いんじゃが。
「お前さん、ちと重たいんじゃが?」
“えっ? レディに対して、重たいなんて!失礼ですわよっ!”
ぷんぷん、怒りだす……
って、おいっ!
カタカタと動きだす部室の備品。
「こらっ。駄目だよ。れいちゃん。こっちにおいで」
れいちゃん?
幽霊を手招きする幸村。
”べぇ~”
俺に、あっかんべぇをしながら、幸村に巻き付く。