第23章 手塚国光の憂鬱/手塚国光 4/9更新
終始無言のまま、2人で帰宅し
俺の部屋にいるのだが
何をどうやって説明していいのか、分からない
も無言のままである
時計の針の音が、やけに響き渡る
「国光くん……」
先に口を開いたのは
「はっきり言ってほしいの……他に好きな子がいるの?」
瞳に涙を浮かべ、俺に詰め寄る
「だから、私とは最後まで……出来ないの!?それとも、私には魅力がないの!?
どうすれば、国光くんは私のことっ……!」
言葉を詰まらせ、俯く
……
すまない
俺が不甲斐ないばかりに……
すべてを見せて
もし、受け入れてもらえないのであれば
別れよう
これ以上、を苦しめるわけにはいかない
俯いているの顔を胸に押し当て抱きしめる
「すまなかった。本当の俺を見せる……もし、受け入れられないのであれば、きちんと言ってくれ」
「国光くん……?」
涙で潤んだ瞳
可愛いと思う
守りたいと思う
でも、興奮は……無い
それでも、俺自身を知ってもらうため