第20章 幸せな人生をありがとう/真田弦一郎4/4更新
ホテルのベッドの上
浴衣姿に身を包んだは、三つ指をついて
「これからの私の人生を弦一郎さんに捧げます。よろしくお願いします」
深々と頭を下げる
「こちらこそ、頼む」
お互いに頭を下げ、挨拶をするが
今日は、初夜である
結婚までは、清い関係でいたい2人は、キスは交わすがそれ以上の行為までは至らなかった
だが、堅物弦一郎ではあるが性欲が無いわけではない
彼女を想像しながら自慰をする時だってあったし、今日を迎えるにあたっては彼なりに知識も修得したのである
そして今宵は、その成果が試されるのであるが……
やはり、堅くなり行動に移すことが出来ない弦一郎
の緊張は、ピークに達しており、もはや気絶寸前
「ふー」
口から軽く息をもらし、布団を捲る弦一郎
「今日は、疲れたであろう?」
先に自分が布団の中に入り、を待つ
ゆったりとした動作で隣りに横になる
自然に腕枕をすると、横向きになり弦一郎の逞しい胸に顔をうずめていく
弦一郎が、髪の毛を梳いていくと安心したのかゆっくりと背中に腕をまわす
愛の言葉を囁けば、上手くコトが運ぶであろう
わかってはいるが、言葉に出来ない
そんな弦一郎のことを理解しているであるからこそ
「私を愛してください……」
小さな声でつぶやく