第20章 幸せな人生をありがとう/真田弦一郎4/4更新
「あの時の事は、昨日のように思いだすわ……」
初めて口付けを交わした事を想いだし、頬を緩ませる
その笑顔は、若い頃のまま
「俺としては、忘れてもらいたいがな……」
苦笑混じりになる弦一郎
「あらっ。でも、私は……そんな弦一郎さんが、とても好きだったのに……」
「そうであったのか?」
初めて聞く言葉に嬉しさが募る
「そうよ。弦一郎さんはいつでも、私を大事にしてくれたじゃない……」
ゆっくりと瞳を閉じていく
当時を思いだすかのように
ゆっくりと話し始める
「特に……」
「うん?」
「新婚初夜……」